鳥飼否宇 異界 ネタバレ有り

とても面白かったです。
でも内容の感想行く前に装丁の話しますね。
先にしておかないと語るタイミング逃すんで。
装丁、格好いいです。
濃紺の布目に銀は格好良すぎですハァハァ。いいなあ。背にのみ印刷があるのも良いです。
見返しが赤褐色*1なのもカバーの色合いとマッチしていて、たまりません。
花布の金色がアクセントになってて、天(または地)から見たところもまた良いです。天の方がスピンが見えるので良い感じなんですが。眺めてるだけでも幸せです。げへへ。
……ご静聴ありがとうございました。四六判はこういう楽しみもあって好きです。
それでは感想書きますね。

凄く端正なミステリだと思います。綺麗、と言うか。どこかで読んだ観察者シリーズの書評に、「余力を残した作品」と書かれていて、まさしくそんな印象を受ける作品でした。
でも、でもですね。最後の4ページでぶちこわしてくれます。
こういうの大好きですが、エーーーッって気分です。ちょwwwwwwwってなります。それは否めない。
そうですね、いつもの観察者シリーズが、急にバカミスになった感じですか。
これは度肝を抜かれます。
雰囲気は非常に観察者シリーズに似ています。
ただ、緊迫感強めというか、お気楽感は薄めですが。密林の前半に近いかもしれない。
ワトスン役、福田太一の一人称パートと、熊楠視点の三人称パートで成り立っていて、特に福田太一パートが観察者シリーズっぽさを出しているのかもしれません。


このシーンが凄く好きです。アホ親子www
お父さんは適当な着物で、太一は適当な書生服でサーセンwww

以下ネタバレを含みます。当然のようにまとまってはいません。
狂犬病、親近相姦、オオカミに育てられた少年。
どこまで私のツボを突いてくるんでしょうか。
ハァハァ。ネタバレワードがここまでツボというのは、色々不便ではあります。
そして、そのネタバレワードは色々な方向から「尊厳」について考えさせられるものだったりします。
それにしても、依田医師格好いいなぁ。
性別誤認叙述で、そうだと思っていたからではなく、人として格好いいな、と思います。
人の尊厳や、医師の使命等の葛藤の中、育ての息子を殺し、自身も自殺するなんて、本当に格好いいと思います。
それにしても、熊楠さんの英国の知り合いが、ブラウン神父というのは思いつきもしませんでした。
まさか。そんな。いや、マジで。
いいのかそれでw
だから、バカミスなのかそうでないのかを真剣に悩むんですよ。ホント。ひとまず、あのオチはバカミス以外の何者でもないな、と思ってます。
あのオチ以外はバカミスじゃない。

ラスト、色々妄想をかき立てられるので少し妄想なんかしたいんですが、やっとはてなの障害が直ったっぽいので、さっさと投稿してしまいます。
妄想は後日と言うことで。まとまってない部分もあるし。

*1:檜皮色?